相続調査
相続を円滑に進めるには、相続人と財産の両方を正確に調べることが欠かせません。
この記事では、相続調査の重要性やよくある問題、弁護士に依頼する利点をわかりやすく解説します。
相続調査が重要な3つの理由
相続調査が重要なのは次のような理由があります。
適正な遺産分割を行うため
財産の種類や評価額を明確にしないまま話し合いを進めると、後日新たな資産が見つかり、分割をやり直す事態になることがあります。
また、財産調査と同じくらい相続人調査も欠かせません。誰が法定相続人にあたるのかを確定しなければ、遺産分割協議や申告手続きが進まないからです。
相続人の漏れがあると、後になって「本来の相続人」が現れ、協議のやり直しや分割の無効を主張されるおそれもあります。
相続放棄を判断するため
相続を受けるか放棄するかを決めるには、亡くなった方の資産と負債を正確に把握する必要があります。
財産調査を怠ると、借金や保証債務が後から見つかり、想定外の負担を抱えてしまう危険があります。
たとえば、プラスの財産が少なく、マイナスの財産が多い場合には、相続放棄の選択が有効です。
しかし、調査不足で負債の存在を見逃した場合、放棄の期限(原則3か月)を過ぎてしまい、返済義務が生じるかもしれません。
正確な相続税申告を行うため
相続税の申告を正しく行うには、相続財産を漏れなく把握することが不可欠です。
全財産の評価額を確定させなければ、申告が必要かどうかの判断が誤ることもあります。
財産の総額が基礎控除額を超える場合、申告義務が生じるため、すべての財産の確認が必要です。
仮に申告後に新たな財産が発覚すると、追加の税金や延滞税が課されることもあります。
相続調査でよくある問題
専門家のサポートを受けず、一般の方が相続調査を実施する場合、次のような問題が生じやすいです。
財産の名義確認が不十分なまま手続きを進めてしまう
相続財産調査で最も多いのが、名義確認の不足です。
被相続人の名義のままになっている不動産や、共有名義のまま放置された預金などが後から見つかることがあります。
名義の確認しないまま遺産分割を行うと、法的な手続きが滞り、登記変更や預金解約が進まなくなるケースもあります。
とくに不動産は、共有状態を解消しておかないと、将来的に売却や管理で争いが生じやすいです。
故人の借金や保証債務を見落としてしまう
財産調査では、プラスの資産だけでなくマイナスの財産も正確に把握する必要があります。
ところが、故人が他人の借入金の保証人になっていた場合や、個人事業の未払い債務がある場合など、家族が把握していないケースも少なくありません。
借金の存在を見落とすと、相続後に突然返済請求が届き、対応に困ることがあります。
確認を怠らなければ、思わぬ債務を引き継ぐリスクは避けられます。
専門家のサポートを受けて、客観的な立場から調査を進めることが望ましいです。
遺品整理と財産調査を混同してしまう
相続の現場では、遺品整理を財産調査と同じものと考えてしまう誤解が多いです。
遺品整理は思い出の品や生活用品を片づける作業であり、財産調査とは目的が異なります。
実際には、遺品の中に重要な契約書や権利証が紛れていることも多く、それを廃棄してしまうと正確な財産把握ができなくなります。
財産調査の際は、
- 通帳や保険証書などの書類を慎重に保管
- 金庫や貸金庫の中身を確認
- デジタル資産(ネット銀行、電子証券など)も調査対象に含める
といった対応が必要です。
弁護士に依頼するメリット
相続調査を検討する場合は、弁護士などの専門家のサポートを受けながらすすめることをおすすめします。
弁護士に依頼する具体的なメリットについて紹介します。
法的観点から正確に調査できる
相続には民法や税法など多くの規定が関係しており、一般の方が独自に調べると、抜けや誤りのおそれがあります。
弁護士は公的書類の取得や照会手続きを適切に進め、相続人や財産の範囲を明確に整理することが可能です。
遺産の名義変更や登記の確認も法的根拠に基づいて進められるため、後のトラブル防止に直結します。
相続人同士のトラブルを未然に防げる
相続では、財産の分け方をめぐって意見が家族間で分かれるケースは多いです。
弁護士が関与すれば、第三者の立場から冷静に状況を整理し、感情的な対立を防げます。
話し合いがまとまらない場合にも、調停や訴訟への対応まで一貫してサポートが可能です。
手続きや書類作成を一括で任せられる
相続手続きは、書類の準備から申請まで多くの時間と労力が必要です。
弁護士に依頼すれば、戸籍の収集、登記申請、金融機関との連絡などを一括して任せられます。
相続財産の種類が多い場合や、複数の金融機関が関係しているケースでは、手続きの煩雑さが大きな負担です。
弁護士はそれぞれの手順を的確に処理し、期限内に完了させるためのサポートを行います。安心して本来の生活に集中できるうえ、申告漏れや書類不備の心配も軽減できます。
