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相続放棄

相続放棄は、亡くなった方の財産だけでなく借金も引き継がないための大切な手続きです。
しかし、期限や書類の不備などで正しく行えないと、思わぬ負担を背負うこともあります。
この記事では、相続放棄の基本から手続きの流れ、判断の基準、そして弁護士に依頼するメリットまでを弁護士がわかりやすく解説します。

相続放棄とは

相続放棄とは、被相続人(亡くなった方)の財産や借金などを一切引き継がないことを法的に宣言する制度です(民法第938条)。
遺産にはプラスの財産だけでなく、借金などのマイナスの財産も含まれます。
相続放棄を行うことで、相続人としての権利や義務をすべて失うことになります
この制度を利用する主な理由は、被相続人に多額の負債がある場合や、相続トラブルを避けたい場合です。

相続放棄の手続き

相続放棄を行うには、家庭裁判所に「相続放棄申述書」を提出する必要があります
手続きは自分で行うこともできますが、記載内容に誤りがあると受理されないこともあります。
一般的な流れは次の通りです。

  • 1. 相続財産の内容を確認
  • 2. 放棄する意思を固める
  • 3. 申述書を家庭裁判所へ提出
  • 4. 審査後、受理通知を受け取る

申述書には、被相続人の情報や放棄する理由などを正確に記載しなければなりません。

相続放棄を判断する際の基準

財産の全体像を把握せずに放棄すると、後悔する可能性もあります
たとえば、借金よりもプラスになる財産の方が多い場合など、放棄しない方が有利なケースです。
判断のポイントとして、次の点を確認すると良いでしょう。

  • 財産と負債の総額を一覧で把握する
  • 他の相続人との関係性を考慮する
  • 遺産分割協議への影響を理解する

相続放棄には「相続の開始を知ってから3か月以内」という期限があり、この期間を過ぎると、原則として放棄はできません

相続放棄の注意点・問題点

被相続人にマイナスの財産が多い場合は一見利点が多そうな相続放棄ですが、この制度には次のような注意点があります。

手続き期限を過ぎると放棄できない

上述のとおり、相続放棄には期限があります
期間を過ぎると、自動的に相続を承認したものとみなされるのが一般的です。
知らずに放置すると、被相続人の借金を背負う結果になることもあります。
期限を誤ってカウントしてしまうケースも多く、注意が必要です。
たとえば、死亡を知った日ではなく、遺産の存在を認識した日から起算される場合があります。

相続放棄後の影響を正しく理解しておくこと

相続放棄をすると、最初から相続人でなかった扱いになります
一見シンプルなようですが、放棄後は他の相続人との関わりや遺産分割協議にも参加できません。
また、放棄によって次の順位の相続人(たとえば兄弟や甥姪)に負担が移ることもあります
この点を理解せずに放棄すると、家族間で思わぬトラブルが生じることもあります。
放棄の判断は個人だけでなく、家族全体に関わる決断です。

財産の調査不足による誤った判断

相続放棄を急ぐあまり、被相続人の財産を十分に調べずに決めてしまうケースがあります
借金が多いと思い込んで放棄した後に、不動産や預貯金があったと判明して後悔することもあります。
一度放棄が受理されると、原則として取り消しはできません
放棄の前には、財産の全容を把握することが欠かせません。

  • 預貯金・不動産・株式などの資産確認
  • 借入金・連帯保証・税金滞納などの負債調査

を行うことが必要です。

弁護士に依頼するメリット

相続放棄に関して早期から弁護士に相談しておくことで次のようなメリットがあります。

申請手続きをサポートしてもらえる

相続放棄申述書の記載内容や添付書類の不備があると、受理されないことがあります
弁護士がサポートすることで、申述書の作成から提出までをスムーズに進められます。
申請時に必要となる戸籍謄本の収集や、被相続人との関係を証明する資料の準備も代行が可能です。
また、申請書提出後に家庭裁判所から照会書が届いた場合も、弁護士が回答内容を確認し、誤解を招かないようアドバイスしてくれます。

財産や負債の正確な調査・判断ができる

個人では確認が難しい借入金や保証債務なども、専門家が法的手段を用いて確認できます
思わぬ負債の見落としを防ぎ、放棄すべきかどうかを的確に判断できます。
また、弁護士は第三者として客観的に状況を整理し、感情に流されない判断が可能です。
財産のプラス・マイナスを公平に分析し、最も有利な選択肢を提示してくれる点も大きなメリットでしょう。

家族間トラブルや債権者との対応を任せられる

相続放棄では、家族や親族間の意見の食い違いが生じやすいです。
弁護士が介入すれば、第三者として中立的な立場から調整を行い、感情的な対立を避けやすくなります。
また、被相続人の債権者から連絡や請求が届く場合も、弁護士が代理人として対応できます。
精神的な負担を軽減し、家族全体が安心して対応できる環境を整えることが、弁護士に依頼する大きな利点です。

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